VS CodeでCodex IDE extensionを設定(ChatGPT Plus以上が必要)
Codex IDE extensionは、OpenAIが提供(リリース:2025年8月27日)している、VS Code等のIDE(統合開発環境)用の拡張機能です。
Codex IDE extensionはコーディングエージェントとして、自然言語による指示で自律的にコードの生成・修正等を行うことができます。
公式サイト:https://developers.openai.com/codex/ide/
Visual Studio Marketplace サイト:https://marketplace.visualstudio.com/items?itemName=openai.chatgpt
Codex IDE extensionの主な特徴
Codex IDE extensionの主な特徴は下表のような内容になっております。
- プログラマー向けのツール
- ローカル環境のVS Code等のIDE(統合開発環境)上で動作する
- 利用する条件はOpenAIのChatGPT Plus(月額$20)以上のプランに入っていることが必要
- 自然言語を使ってコードの生成や編集、学習支援を受けることができる
- コーディングエージェントの用途に特化したLLMモデルのGPT-5-Codex(リリース:2025年9月16日)がリリースされている
- バグ修正・リファクタリング・機能追加・テスト・レビューやドキュメント整備・コメントの整備等ができる
VS CodeでCodex IDE extensionの設定手順
VS CodeでCodex IDE extensionを設定する場合の手順を紹介いたします。
前提は
- OpenAIのChatGPT Plus(月額$20)以上のプランに入っている。
- ローカル環境にVisual Studio Code(VS Code)がインストールされている。
- Node.jsがパソコン上で実行可能になっている。
- pythonがパソコン上で実行可能になっている。(サンプルを実行する時に使用)
としています。
1.VS CodeでCodex IDE extensionをインストール
- 動作確認をスムーズに進行させるために、最初にテスト用のディレクトリを用意して、VS Codeで開きます。
例えばディスクトップに「codex_ide_test01」というディレクトリを作成する場合は、下記のように行います。cd ~/Desktop/ mkdir codex_ide_test01 cd codex_ide_test01
次にVS Codeを起動して、メニューの「File」から「Open Folder…」を選択して、作成したディレクトリを開きます。
図. VS Codeでフォルダを開く - 「Do you trust the authors of the files in this folder?」(このフォルダ内のファイルの作成者を信頼しますか?)の確認のダイアログが表示された場合は、「Yes, I trust the authors」(はい、作成者を信頼しています)をクリックします。
図. VS Codeでフォルダを開く - VS Codeの左メニュー「Extensions」をクリックして、検索窓で「codex」と入力して検索します。
検索結果の中から、「Codex – OpenAI’s coding agent」を選択してインストールをします。図. Codex IDE extensionをインストール - 「Do you trust the publisher “OpenAI”?」(発行元「OpenAI」を信頼しますか?)の確認のダイアログが表示されたら、「Trust Publisher & install」(発行元を信頼してインストール)をクリックします。
その後に表示される「Sign in with ChatGPT」をクリックします。図. Codex IDE extensionをインストール - 「Do you want Code to open the external website?」(コードで外部 Web サイトを開きますか?)の確認のダイアログが表示されたら、「Open」をクリックします。
図. ChatGPT Plus以上のプランでサインイン - ログイン後に「ChatGPT を使用して Codex にサインイン」の確認の画面が表示されたら、「続行」をクリックします。
「Signed in to Codex
You may now close this page」の画面になったら、この画面を閉じでVS Codeに戻ります。図. ChatGPT Plus以上のプランでサインイン - VS Codeのサイドバー「Codex」内で、「Next」を数回クリックします。「Introducing GPT-5-Codex」(GPT-5-Codex のご紹介)の画面が表示されたら、
「Try GPT-5-Codex now」(今すぐ GPT-5-Codex を試す)
「Continue using GPT-5」(GPT-5 を使い続ける)
の選択肢が出てきます。
ここでは「Try GPT-5-Codex now」をクリックすることにします。図. Codex IDE extensionの初期設定 - 下図のような状態になれば、Codex IDE extensionが使用できる状態になりました。
左メニューのCodex用のメニューアイコンをクリックすることで、他の画面からこの画面に遷移することができます。図. Codex IDE extensionの初期設定 画面下部のApproval modes(承認モード)では、下記の設定が変更可能になっています。
- Chat:チャットのみを実行
- Agent:デフォルト
- Agent(full access):すべての編集・実行・ネットワークアクセスが自動で許可される
画面下部のSwitch Models(モデルの切り替え) では、使用するLLMモデルが変更できるようになっています。
2.Codex IDE extensionの動作確認
- ここでは例としまして、下記のように少し複雑な要望を入力して実行してみます。
下記のようなアプリケーションを作成したいです。 ・体重管理ができるツール ・ブラウザ上で登録や管理ができる ・裏側のロジックはPythonで動作する ・データはjsonで保持される ・体重の履歴をグラフ表示できる ・グラフは分単位 ・身長から体重に対するアドバイスが表示される 最後に上記のアプリケーションの起動方法を教えてください。
- Codex IDE extensionのコーディングエージェントの動作が始まりました。
「Working」のメッセージと進行内容が表示され、約2分後に「Finished Working」が表示されました。図. Codex IDE extensionの動作確認 - VS Code内でターミナルが使用できる状態にします。(動作確認に便利なため)
VS Codeの「Explorer」の画面で、Codex IDE extensionが生成してくれたファイルが確認できます。図. Codex IDE extensionの動作確認 ターミナルでの「ls -R」等のコマンドでも、Codex IDE extensionが生成してくれたファイルが確認できます。
$ ls -R app.py data requirements.txt static templates ./data: ./static: app.js style.css ./templates: index.html
次に使用されるflask(PythonのWebアプリケーションフレームワーク)がパソコンで動作できるかを確認します。
ターミナルで「flask –version」を実行した時にバージョン情報が確認できない場合は、下記のコマンでインストールを行います。$ pip install flask または $ pip3 install flask
次に画面の指示にしたがって、下記のコマンドを実行します。
$ python app.py # または $ python3 app.py
実行すると下図のような「http://127.0.0.1:5000/」で起動ができるメッセージが表示されました。
図. Codex IDE extensionの動作確認 - ブラウザで動作確認を行います。
下図のように表示されて動作確認ができました。想像していたよりもしっかりとした作りです。図. Codex IDE extensionの動作確認 - 次に「上記の要件定義をマークダウン形式で教えてください。」「上記の要件定義をダウンロードできるようにしてください。」と指示を出してみました。
すると下図のように完成度の高い要件定義を生成してくれました。図. Codex IDE extensionの動作確認 # 要件定義 - **アプリ概要**: ブラウザで操作できる体重管理ツール。Python製サーバーとJSONデータで記録・分析を行う。 - **利用技術**: バックエンドに Flask (Python)、データ保存は `data/weights.json`。フロントは HTML/CSS/JavaScript。 - **主要機能**: - 身長の登録・更新 - 体重の追加記録(分単位タイムスタンプ) - 記録一覧表示(表形式) - 体重推移グラフ(Canvas で分単位描画) - 最新身長と体重から算出した BMI とアドバイス表示 - **データ構造**: ```json { "height_cm": number | null, "entries": [ { "weight": number, "timestamp": ISO8601 string }, ... ] } ``` - **API 仕様**: - `GET /api/data` : 全データ取得(身長・体重履歴・アドバイス・BMI) - `POST /api/height` : `{ "height_cm": number }` のリクエストボディで身長更新 - `POST /api/weight` : `{ "weight": number }` のリクエストボディで体重記録追加 - **アドバイスロジック**: BMI を以下の基準で分類 - `< 18.5` : 痩せ気味 - `< 23` : 標準 - `< 25` : やや高め - `>= 25` : 肥満傾向 ## 備考 - JSON ファイルは常に `height_cm` と `entries` を保持。 - グラフは同一日に複数回記録しても分単位でプロット。 - エラーハンドリング: 無効な数値は 400 を返し、フロントでアラート表示。
3.Codex IDE extensionの使用所感
- 実際の業務で使用してみましたところ、下記のような気になる場面はあったのですが、Codex IDE extensionは総じて優秀で、今後が楽しみな機能です。
- 返答が全て英語になる場合があったため、「日本語でお願いします」等の指示を行う場面がありました。その後は日本語の返答になりました。
- 元のソースコードを元に、別のロジックのソースコードの提案を何度かお願いをしていた所、元のソースコードを書き換えてしまうことが1回ありました。
元に戻す指示をしましたところ、元のソースコードは一部復元しませんでした。